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この1年をふり返る

早いもので気がつけば今年もあと何日かで終わります。

いろんなことがありました。わずかこの1年の間に、世の中の情勢はがらりと変化しました。自分のブログの見出しを拾ってみても、世界情勢から国内情勢、はては我が身の事情も含めて、今までにない激動に見舞われました。

世界情勢では、何と言ってもオバマ次期大統領の選出とアメリカに端を発した世界金融危機の深刻化です。ブッシュ大統領一人の責任ではないかも知れませんが、ブッシュの8年間は全世界を混乱の渦に突き落としてしまったと思います。8年前、彼が大統領に選ばれた時、また9.11でテロ撲滅を叫んでイラク戦争に突入したときに覚えた不吉な予感は現実のものになってしまいました。

昨今の未曾有の金融危機もその延長上のものだと言えます。実体経済からかけ離れた信用取引が雪だるま式に拡大したのは、信用取引を根幹とする現代資本主義のなれの果て、疲弊した体制の生み出したガン細胞のようなものだといってもいいでしょう。各国の利害を調整するはずの国連も、大国のエゴと開発途上国の上昇志向のはざまで呼吸困難に陥っています。

バラク・オバマ次期大統領がこの混迷をどのような戦略で切り開いて行くのか、世界は多くのものを彼に期待しています。

ひるがえって、わが日本では小泉首相のあと、僅か2年ちょっとの間に安部、福田、麻生と三人の首相の顔を見ることになりました。この間の日本の政治は小泉時代の中途半端で無責任な構造改革路線の負の遺産のせいもありますが、混乱の極みです。

特に麻生首相には、自分がどういう政治をやりたいのか、日本をどういう方向に導きたいのかという、宰相としての想像力が欠落しています。ああ言えばこう言う、こう言われればああ言うで、矛盾したことを口走りますが、その矛盾を矛盾として感じる感受性もないようです。今どきハローワークで若者を捕まえて「どういう仕事をやりたいのかをはっきり言わなきゃ……」としたり顔で説教してましたが、これはその最たるものでしょう。要するに戦後最も無能な総理大臣と揶揄する人もいますが、同感せざるを得ません。

ここまで書いてきて、一年の終わりに何だか愚痴ばかり書いていることに気づいて我ながらちょっと反省の気持ちが生まれてきました。でも、思っていることを腹の中に溜めておいてお目出たいことを言うのも虚しいばかりです。むしろ新年を迎える前に吐き出しておいたほうが身のためでもあります。

最後に私事についてですが、4月に「病といかに付き合うか」を書いて以来、そのことには全く触れずにきました。止めることのできない時間の進行の中で不可逆的に進行する身体という生命の営みに対して、多くの煩悶や渇望を味わってきました。しかし、今は望みを絶つことではなくて、現実を受け入れながら、あくまでも望みを希求することこそが生きることの意味だと考えられるようになりました。


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安井 武

Author:安井 武
フェルデンクライス研究会主宰
FCJ(Feldenkrais Club Japan)
演出家(劇団俳優座)
IFF 認定 Feldenkrais Practitioner

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